日本三大桜の名所、弘前の花筏

2023.09.27

記事画像
今年の春、弘前へ桜を見に行った。 弘前へは前泊し、夜桜→昼の花見という順番で見にいったが、さすが桜の名所と言われるだけあり、特に夜桜は素晴らしかった。 まさに百花繚乱、花咲き乱れる桃源郷の如しという様相であった。 桜は満開の時は生命力を感じるが、その実花びらは柔らかく、すぐに散るため儚さも漂う。 よく故事でも、桜はなにかと死と関連づけられるのだ。 かの西行法師も、「願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃」と詠んでいる。 これは釈迦入滅の時と同じ日に、桜の下で死にたいという気持ちを歌った歌だが、それ以外にも桜は儚いものとして物悲しい詩が多い。 そういえば弘前の桜は花筏の方が有名だが、水面に浮かぶ花びらを花筏と名付け、散った後も楽しもうとする日本人の感性には驚愕させられる。 元々花筏という単語の語源は、、川に流された骨壺のさまから来ているのだ。 川に浮かべていた筏に、骨壺を紐で結んで流していたが、、その筏に結んでいた紐が早くとれて、骨壺が川に流されていくと、早くあの世の極楽浄土にいくことができるということだっそうだ。 その時に、骨壺といっしょに花も添えられており、その筏から紐で結ばれていた骨壺が川に流れていく様子から、花筏という言葉が生まれたといわれている。 散り際にまで花を持たせるということたむけの気持ちが、花筏という言葉には含まれているのかもしれない。

この記事を書いた人